「寝不足はリバウンドにつながる!ダイエットで困った時は眠ろう」

すべて 食事や睡眠のこと

健康のためによく眠ろうという話しはよく聞く。でもダイエットに取り組もうとするときにまず気をつけるのは睡眠よりも、食事や運動である人がほとんどかもしれない。実際に20キロの減量に成功し、今ではすっかり健康オタクになった彼もダイエットに取り組むなかで睡眠の改善に取り組み、見事に睡眠薬から卒業した。今では「寝すぎかもしれない(笑)」というほど快眠だ。食事や運動の効果をしっかりと得ようと思うと睡眠はとても大切。今日は今よりも健康的でスリムになろうとする人には必ず知っておいてほしい睡眠の効果について考える。あなたの睡眠が、心と体をスッキリさせ毎日を充実させてくれる時間になっているか、この機会に考えてみてほしい。

睡眠の効果を理解するためには、睡眠を怠ると体や精神にどんなダメージがあるかを理解するとわかりやすい。まずは睡眠が7〜8時間の人と比較して、睡眠時間が短くなればなるほど、肥満率は上昇する。食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌量が増える傾向があることも報告されている。これだけでも睡眠不足と肥満の関連は十分といえる。うつにもなりやすくなる。

また睡眠不足であることで、脳の老廃物が貯まる。脳が十分に休憩していない状態になるため血圧は下がらず、ストレスホルモンが過多な状態になりやすいため、感情をうまく調整することができなくなる。この状態で「何をどの程度食べるか?」を検討するとあなたにとって適切な選択をとることが難しくなる。「寝不足なのに頑張った自分は偉いから、今日はご褒美にたくさん食べよう」みたいな選択になってしまいがちだ。

先日、リバウンド経験のある女性とお話しした。その時の彼女が話していた内容が印象深かった。「よく眠って朝から少し散歩をした日は、せっかくだから健康に気を使った食事にしようと思うし、仕事もやる気になれるし、人にも優しくなれる。でも、なかなか散歩に行く気にはなれない。朝から散歩に行っても営業成績は伸びないし、誰も褒めてくれないから。」と言っていた。気持ちはすごくわかる。あなたにとって大切なことが、他人からも大切なこととして認めてもらえないことは少なくないと思う。しかし、あなたにとって本当に大切なことを大事にしないままダイエットに取り組んでも継続できない可能性は極めて高くなってしまう。多くの研究で明らかになっているのだが、ある一定の管理下(食事指導やパーソナルトレーニングのような)でダイエットに取り組んだ人の50〜90%の人が5〜9年で元の体重に戻ってしまうという報告が複数ある。だからこそ体重を落とすためにダイエットに取り組むのでなく、健康的な習慣へシフトしていくと考えてもらいたい。体も脳も環境も全て繋がっているので、睡眠、食事、運動、血圧、腸内環境など全てが整ってこそ、リバウンドしないダイエットが成功する。一過性の食事制限や、非日常的な運動は一定の効果は生むが、その期間を抜ければ強烈に元の生活や食事に戻ろうとする。これをホメオスタシスという。頑張って一気に生活を変えようとすると逆効果になる可能性が高い。あなたが「これくらいなら無理せずできそう」だと思えることを、少しづつ取り入れていく方が成功確率は格段に高まる。

そして、そのような計画的・長期的に物事に取り組む脳の部位はよく眠らないと機能しない。この理性的な脳が機能しないと、長期的な目標を優先することができず、目の前にある報酬にすぐに飛びつくことしかできない。ストレスや疲労が過多な状態で、食欲がうまくコントロールできないのも無理はないということだ。

とはいえ、寝た方が良いとわかっていてもなかなか寝付けない人は少なくないと思う。寝る前に仕事、恋愛、人間関係の不安に襲われる。頭が休まらない。そんな時は、早めにお風呂に入ろう(お湯に浸かる方が睡眠の質は高まるが、寝る前の2〜3時間前には入浴を済ませたい。十分に時間が取れなければシャワーだけでも良い)。そしてお風呂のあとは極力スマホの画面は見ず、ワクワクして頭が興奮するようなことは遠ざけてリラックスして過ごす。寝る準備が整ったら、布団と一体化するくらい体の力を抜く練習をしよう。気づいたら眠っていると思う。

それでも考え事やスマホが気になって頭が落ち着かない人は、ボディスキャンという方法を試してほしい。ちなみに20キロ減量した彼はこの方法で睡眠薬から卒業した。

⒈まずは横になる。布団やベッドと一体化するようなイメージで脱力してみよう。この時呼吸は8〜16秒程度かけてはき、4〜8秒程度かけて吸い込む。(3分程度繰り返す)。
⒉次に右足(左足でも良い)のつま先から順番に意識を向けてみる。指の付け根、土踏まず、かかと、足首、ふくらはぎ・・と順番に股関節のツケに向かって15秒ずつ程度。
⒊片方の足が終わったら次は反対側。(このあたりで寝落ちしているかもしれない。)
⒋両足が終わったら、次はお尻、腰、背中・・・と徐々に頭のテッペンまで順番に意識を向ける。以上。

おそらく気づかないうちに頭や体が緊張してしまっていたことに気づくと思う。この緊張状態では眠ろうにも眠れない。だからリラックスする練習をすると思ってボディスキャンに取り組んでみてもらえたらと思う。仮に眠れなくてもあなた自身を責めるのはやめよう。その自己否定は無意味だ。「眠れないほど一生懸命生きてるんだ」とあなた自身を褒めてあげよう。寝る前に緊張していた心と体を自分で解きほぐすことができるようになれば、日中もリラックスしたい時に役にたつはずだ。

忙しく、生産性を求められる日々の中で「あなたのためだけに大切なこと」を続けていくことは簡単ではないかもしれない。そんな私も最近ずっと始めたくても「役に立たないから・・・」と言い訳して遠ざけていたピアノの練習を始めた。本当に始めてよかったと思う。音楽を聴くことが以前よりももっと楽しくなったし、パソコンのキーボードを打つ時まで少し鍵盤を叩いているような感じがして、以前とは気分が変わった。あなたが自分が楽しむこと、リラックスすることを許すことができれば、きっともっと人にも優しくなれると思う。

だから、疲れたら眠ろう。
つらいと感じたら眠ろう。
人に優しくできなくなったら眠ろう。
あなたがあなたに優しくできなくなったら眠ろう。

そして少しすっきりして前向きになった頭で未来のことを考えよう。今日どんなふうに過ごせば、1年後のあなたが今よりもハッピーになるかを考えよう。そんなふうにあなたが自分自身を見守るように丁寧に生きていけば、きっと少しづつ前進していく。

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